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人生90年時代!あなたの医療がん保険はだいじょうぶ?

「生きていくための保険」

 生命保険や医療・がん保険などは、以前は死亡時にいくら残せるかが主でした。しかし医療が進化して、がんは治るケースが増え、人生90年という長寿時代には自分が要介護者になる心配が大きくなるなど、世の中の状況は大きく変わっています。治療にも介護にもお金がかかり、長生きはリスクと見られるようになってきました。
 そのため今は「生きていくための保険」をどう選ぶかが重要視されています。

保険の種類

 保険の種類は膨大にありますが、身近なもので言えば医療保険なども含む生命保険系と、自動車保険や地震保険などの損害保険系があります。
 その中で「医療保険」は、「生命保険」の「医療特約」を単体の保険にしたものです。「医療特約」と「医療保険」の違いは、「医療特約」では保障は最長80歳までが大半です。しかし「医療保険」では終身タイプが主流で80歳を超えても保障され、保障内容も医療特約より幅広くなっています。
 「がん保険」は保障の対象をがんに限定したものです。医療保険でもがんを含む病気やケガを幅広くカバーしますが、がん保険は限定したぶん保険料が割安で、がんと診断された場合には100万円などの診断給付金が下りるものが多いです。

保険の基本形

 保険には、「定期保険」「養老保険」「終身保険」の3つの基本形があります。

定期保険=保険期間が一定で、期間が終われば払い込んだ保険料(※1)は戻ってこない「掛け捨て」タイプ。そのぶん保険料は割安です。

養老保険=こちらも保険期間は一定ですが、生存したまま満期を迎えれば死亡保険金(※2)と同じ額の満期保険金が受け取れます。保障と貯蓄の両方を兼ねていて、保険料は高めです。

終身保険=保障が一生涯続くもので、何歳で死亡しても死亡保険金が支払われます。解約返戻金を老後の備えにすることもできます。

※1保険料…
保険契約者が保険会社に払うお金のこと。
※2保険金・給付金等…
被保険者が支払事由に該当された時に保険会社から受取人に支払われるお金のこと。

主契約と特約

 保険は「主契約」と「特約」の組み合わせで成り立っています。

主契約=単独で入れる土台となる契約で、定期、養老、終身の3つの基本形のどれかが主契約になるケースが一般的です。

特約=主契約に追加するオプションの契約で、複数付けられますが、主契約が無くなると特約も無くなります。特約は給付金が支払われる条件が保険会社ごとにルールが違います。

 主契約に特約をいくつか付けてセットになった保険は、早いうちに見直したほうがいいでしょう。なぜなら、セットになった保険は保険料が年齢とともに上がっていくからです。保険料が上がって高額になると払えず解約する人も出てきます。しかし、その頃には年齢も上がり、保険を使いたい事態が起きてきます。
 また、特約は保障が最長80歳までのものが大半なので、人生90年といわれる時代に80歳を超えて保障が無くなるのは困ります。
 そのため医療保険、がん保険は保険の種類ごとに必ず主契約で選んで入り、終身保険であること、見直しできることが大事です。

医療保険に入ればがん保険はいらない?

 いまの医療保険では、一例として、がんをはじめ全ての病気とケガで入院した場合の給付金が1日1万円(日帰り入院から保障)、手術した場合の給付金が1回20万円、それに先進医療給付金がついてくる、そういう商品が一般的です。こうした医療保険に入っていれば、がん保険は入らなくてもいいとも思えます。しかし、がんは遺伝する病気ではありませんが、がんになりやすい体質や生活環境が受け継がれる可能性は否定できないということもあり、家族歴などからがん保険に単独で入る人はいます。
 また、がんは早期発見できれば治るようになってきましたが、健康保険が使えない自由診療や、先進医療が必要な場合もあり、それにはお金がかかってきます。そのため今は、初期がんでも診断されたら一時金が500万円や1千万円など給付されるタイプの保険も人気になってきました。
 医療保険では、三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)や、七大生活習慣病(がん、糖尿病、心疾患、高血圧性疾患、脳血管疾患、肝硬変、慢性腎不全)の保障を厚くした商品も人気です。また、大きな病気をして働けなくなった時のために、生活費用をカバーする保険も増えてきました。
 生きていくために保険に加入する、そういう考え方、選び方が保険の主流になっています。

保険は見直しが必要

 保険は基本的に家と一緒です。例えば2000万の家をローンで買うと、月々いくら払うか、いつまで払うかを計算します。25年で総額3000万円払うことになるというように。保険も同じで、ある保険に入ったときに、総額でいくら払うことになるかを計算すると、損か得かが分かってきます。給付金はいくらか、保障はいつまであるか、特約は80歳までしか使えないとか。また、保険商品はどんどん新しくなってきます。昔の保険のままでは入院して5日目以降でないと給付金は出ませんが、今はがん治療でも日帰りや3~4日で退院することもあるので、日帰り入院から保障されるのが当たり前です。だから見直しが必要です。
 加入する保険会社の見直しも大事です。東日本大震災があった今年、多額の保険金を支払ったために会社の体力が落ち、財務体質が弱まった保険会社も出てきています。給付金を請求してもすぐに出してくれないという事態もありえます。保険会社の格付けや、「ソルベンシーマージン比率」という指標を参考にして見直す必要があります。

保険は見直して損なし

 保険を見直すときに、解約したら損をすると思う人は少なくないでしょう。しかし、すべての場合が損になるとは言えません。子供が独立したとか、介護のことを考える年になったとか、いまの自分のライフステージに合わせて必要な保険に入ることが重要で、ニーズに合わなくなった保険をそのまま続けるほうが損とも言えます。
 時代とともに社会保障制度が変わるに連れて、保険商品もどんどん新しくなっていきます。だから保険はライフステージに合わせて見直し、今よりいい物に変えていくこと。最終的に、自分が払った保険料以上に貰えるものに入らなければいけません。
 掛け捨てタイプを選ぶ場合でも、安くていい商品を選ぶ。積み立てタイプの保険を選ぶ場合は、掛けた保険料以上に解約返礼金が入るものを選ぶこと。これが鉄則です。
 保険の見直しは、保険会社の人よりも中立な立場の専門家(ファイナンシャルプランナーなど)に相談し、自分がどういう保障が欲しいか要望を言い、その中で合ったものを提案してもらい、最終的に自分で選ぶことが大事です。