-
ルナウィメンズクリニック
院長 齋藤誠一郎先生
赤ちゃんを守ろう STOP風疹!みんなで風疹ワクチンを受けよう
今年、全国的に風疹が流行っているようです。風疹の症状はどのようなものですか?
三大症状として・発熱・発疹(顔、首、全身)・リンパ節腫張があります。
風疹は特に妊婦さんが気をつけるようにということですが、具体的にどのような影響を及ぼすのでしょうか?
妊婦の方が妊娠中、特に妊娠初期に風疹にかかってしまった場合、生まれてくるお子さんに影響が出てしまうことがあります。これは、先天性風疹症候群と呼ばれ、白内障や先天性心疾患、難聴などの症状を引き起こしてしまいます。妊娠中の感染時期が早いほど発症の可能性が高くなってしまうので、妊娠してから注意するというのでは遅いのです。
確実な予防策はありますか?
妊婦さんは、人ごみに行かない、マスク・手洗い・うがいをする、などありますが、まずは妊娠する前にワクチンを打つことです(ワクチン接種後、2ヶ月間は避妊が必要)。妊娠中は風疹ワクチンが打つことができませんので、“予防がすべて”と言っても過言ではありません。ワクチン接種は妊娠前の女性の方はもちろん、男性の方にもぜひ接種していただきたいと思います。風疹ワクチンは、1977年から集団接種が行われていましたが、女子中学生を対象としたものであり、男子は受けることがありませんでした。つまり、いま働き盛りの20~40代の男性に免疫がないということなのです。職場や人の多いところで風疹が流行すると、免疫のない男性が風疹にかかり、自宅の妊婦に風疹をうつしてしまうというケースもあります。いつワクチンを接種したか忘れたという方も多いと思います。はっきりした接種記録のない人は、すぐにでもワクチン接種をしていただくことで、生まれてくる赤ちゃんを守ることができるのです。
そのほか、注意できることはありますか?
妊婦さんは、妊娠初期検査で風疹抗体価(風疹に対する免疫の強さ)を調べていることが多いです。出産経験がある方は、母子手帳に風疹抗体価が記載されていることがあります。ぜひ確認してみてください。抗体価が低い方は、次回妊娠する前にワクチンを接種すれば抗体価があがり、抵抗力がつきます。現在妊娠中の方で、抗体価が低い方は、上記にも示したように人混みを避けるなどの自衛策しかありません。赤ちゃんが生まれたら、すぐにワクチンを接種しましょう。授乳中でもワクチン接種はできます。抗体価は男女とも調べることも可能ですが、調べる手間をかけるならワクチン接種をしたほうがいいと思います。詳しくはかかりつけ医に確認してみてください。
男女関係なく、ワクチン接種をしておくべくですね。
本人だけでなく周囲の人が気をつけることで風疹はなくなります。「うちは大丈夫」と思っていても、誰かに風疹をうつしてしまっている可能性もあります。妊婦さんのそばにいる世代の男性はもちろん、自分のため、周りの人のためにもワクチン接種をおすすめしたいと思います。