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今月のインタビュー【バックナンバー】

お話をお伺いしたのは…

馬原医院 院長
馬原文彦先生

マダニに気をつけよう!マダニが媒介するウイルス性感染症

マダニの特徴を教えてください。

マダニの住んでいる場所は草むらです。山林が普通ですが、種類によっては河川敷や土手、公園の緑地にもみられます。乾燥に弱いので、一定の湿度が保たれている場所を好みます。また、動物の血液が主食ですから、マダニの生息地には動物も生息している必要があります。形は、頭、胸、腹がすべて一つになっています。小さなスイカの種のような平べったい形が一般的です。吸血すると、成虫のオスを除いて大きく膨れます。満腹したものは小豆から大豆のような形に見えます。吸血の途中では干しブドウのように見えることもあります。

ダニが媒介する感染症にはどんなものがありますか?

 代表的なものは日本紅斑熱、ライム病、野兎病などがあります。最近、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)が注目されています。SFTSウイルスによる感染症で現在のところ治療法もなく、死亡率も高いとされていますので、しっかりとダニにかまれないように予防法を学習しておいてください。

ダニにかまれやすい場所はどんなところでしょう?

 環境としては上述のダニの生息域です。身近な草むらや畑にも生息していますので注意が必要です。体の部位としては体中どこでもかまれます。露出しているところが多く、手足、頭、頭髪の中、首筋、お腹や胸など。皮膚の軟らかいところを好み、脇の下、膝裏、股間部などにもかみついていることがあります。

ダニにかまれないための予防法を教えてください。

 よく長袖、長ズボンと言われますが、完全に防護する方法はありません。外出から帰ったら、お風呂でダニがついていないか体中をチェックしてください。いじりがゆいから手をやったらコロリと触れたという人が多いです。

ダニにかまれたら、どういう対策をするのがいいでしょうか?

 もしダニがかみついていたら、無理にちぎったりつぶしてはいけません。ワセリンなどを塗って30分くらい待ってティッシュでふき取ってください。取れなければお医者さんへ。ダニがとれても10日ほどの間は、発熱や体のだるさに注意し、症状があればただちに病院を受診し、ダニにかまれたことを担当医に伝えましょう。徳島は気候が温暖で、マダニは冬も含めて年中活動していますので、かまれる機会は多くあります。とくに春から秋にかけての間は活動するマダニの種類や数は多く、それだけかまれる機会も増えます。だからといって、マダニにかまれることをむやみに恐れることはありません。かまれたためにダニ媒介感染症を発病することはきわめてまれなことだからです。農作業や山林での活動を主な仕事とされていて、たびたびダニにかまれているという人でも、発病することはほとんどないというのが実際のところです。ダニにかまれることによって起こる病気があるということを知っておくことが大切です。ダニもたくさん住んでいるけれどもヒトも豊かな徳島の自然を大いに楽しんでください。