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今月のインタビュー【バックナンバー】

お話をお伺いしたのは…

岩城クリニック 心療内科 理事長 兼田 康宏さん

女性とうつの関係

ストレスにデリケートな女性の身近に潜むうつ病

早期発見と周囲の温かいサポートが必要

ストレス社会といわれる現代、うつはとても身近な病気。

そしてその発症率は、女性は男性のおよそ2倍、10人にひとりは経験するといわれている。

まさにうつ病はパートナーや家族がいつ患ってもおかしくない病気なのである。

もしも発症してしまった場合、まずは自分で自覚をすること。

周囲が早く気づいてあげて、適切にフォローしてあげることが何よりも肝心だ。

そのためにも、まずは病気のことをしっかり知っておくことが鍵となる。

 

生活の変化と女性ホルモンの関わり

うつ病は、真面目で問題を抱え込んでしまう人、一つのことに集中して周りが見えなくなってしまう人がかかりやすいといわれている。女性が男性よりも発症率が高い理由は、はっきりとはわかっていないが、女性の方がストレスに対してデリケートであることが、男性よりもうつ病になりやすい要因であると考えられている。 うつ病の原因は、ライフスタイルの変化や環境の変化によるストレスが大きく関係している。女性の場合、妊娠や出産、介護など、一生のうちで生活環境が目まぐるしく変化する。妻として、母親として、介護者として、いろいろな役割を担うことからさまざまなストレスを抱える状態に陥りやすくなるのである。 また、女性ホルモンとも深い関わりがあると兼田康宏理事長は話す。 「不思議なことに女性ホルモンには、いろいろな意味で病気を防ぐ役割があると考えられています。予防に働いている女性ホルモンが低下する更年期を過ぎると、女性のうつ病の発症率も高まるのです」。 「さらに更年期と合わせて、甲状腺機能の低下からうつ病になる人も多いといわれています」と亀山和人院長。

早期発見のためにも日頃から自己チェック

「うつ病の2大症状は、気持ちの落ち込みと、興味や関心の低下です。不眠や食欲不振などのサインを見逃さないことも重要。疲れが溜まっているなと感じたら、『セルフチェック』をして自分自身のストレス度を把握してください」と、兼田理事長。 そして家族も『元気がない』『顔色が悪い』『怒りっぽい』など、いつもと違うなと感じたらまずはかかりつけ医に相談をすること。そのためにも、日頃から気軽に相談のできる、かかりつけ医を持つことが大切。そしてうつ病の症状があるようであれば、メンタルクリニックや心療内科、精神科を受診する。なにより早期発見と早期治療で、うつ病を本格化させないことが大事だ。

 

まずは休むこと薬の服用から治療を

うつ病と診断された場合、十分な休養と薬による治療が必要。可能な範囲で仕事を休み、主婦の場合は、家事や育児を手抜きすること。療養に専念するためにも、家族のサポートは必要不可欠だ。「うつ病はストレス病ですが、生活習慣を見直して体の環境を変えることも大切です」と亀山院長。「睡眠をしっかりとり、朝起きて朝日を浴びて生活のリズムを整えること。そしてバランスの取れた食事。無理のない範囲での適度な運動を心がけましょう」。

 

心身両面からケアを行う

内科、心療内科、整形外科を併せ持つ岩城クリニックでは、それぞれの科が連携して心身両面から治療を行うのが大きな特徴。 「体の病気がストレスとなり、うつになる場合や薬の影響で発症するということも少なくありません。さらにうつ病になると、血圧の状態や糖尿病が悪化するということも多いため、心と身体の両面からの治療が有効となります」と兼田理事長。 また初期症状として痛みを訴えるケースもあるため、外科との連携も同クリニックの強みの一つだ。 うつ病は適切な治療により、改善や回復が期待できる病気。一番身近な家族が病気を理解し、焦らずに向き合っていくことがキーとなってくる。