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今月のインタビュー【バックナンバー】
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お話をお伺いしたのは…

医療法人三木達医院 三木照久歯科 三木照久院長

歯と健康寿命

シニア世代の笑顔が

街、社会を元気にする!

 

シニア世代、特に女性にとって歯・口の健康は、元気はもちろん美しさの必須項目。

歯や歯茎のトラブルをいかにして防ぐか、そしてその効果はどんな面に現れるのかを

『三木照久歯科』の三木院長に聞いた。

 

 

口と体の密接な関わり

「女性の方が、男性より平均的には長生きなんですよ。なおさら女性に元気でいてもらわないと」。三木先生は笑顔で語る。

超高齢時代の幕開けの今こそシニア世代、特に子ども世代や孫世代の面倒を見る機会の多い女性が元気であり続けることは、家庭や地域といったコミュニティを維持するのに重要な要素となる。またその人たちが元気・素敵・快適でいることは、あとに続く家族が“歳を重ねていくこと”の最高のお手本である。

意外に思えるかもしれないが、口や歯の健康状態を保つことは、体そのものの健康を維持し、いつまでも元気でいることと密接な関係があると三木先生はいう。「簡潔に言うと、歯が悪くなると食べ物を噛みにくくなるだけでなく、さまざまな病気にも繋がってしまいます。お口のトラブルとして、まず挙げられるのが歯周病。歯周病は進行していくにつれて顎の骨が細菌から出る毒素に侵され、歯が家だとすると地盤にあたる骨が土砂崩れを起こし、歯がグラグラして物がよく噛めなくなります。それも大変ですが、さらに深刻な問題があります。いらない臓器などなく、それぞれに代わりの利かない重要な役割がある。では、お口の役割とは?息をすることと、食べること。どちらも命の営みに欠かせない、重要な役目を担っています。ですから、お口の健康を損ねることは、さまざまな全身疾患のリスクを高めかねないのです。」

 

 

口の健康維持は 「老いと病」の リスクを遠ざける

歯周病が、多くの病気の原因・関連病変になり得ることは、近年一般の人にも多く知られ始めている。特に糖尿病などとの密接な関係も、マスコミでよく取り上げられている通り。「意外なようで当たり前なのは、肺炎との関係です」と三木先生は話す。肺炎は高齢者の死亡原因の第3位であり、国を挙げて予防が進められている病気。統計によると、70歳以上の肺炎患者の70%が誤嚥性とされ、90歳以上だと90%以上! なんと高齢者の肺炎の実に40%がこの誤嚥性肺炎と言われている。それを引き起こす直接的な原因が口腔内の状態にあるのだ。つまり内科のケアだけでは肺炎は予防できず、逆に言えば口の中を清潔に保ち、咀嚼・嚥下機能を維持することが肺炎予防の大きな手段となる。

「徳島の社会問題」とも言われる糖尿病との関連も聞かぬわけにはいかないだろう。「糖尿病はさまざまな合併症、関連疾患を持つ恐ろしい病気。その6番目に関連性が高いと言われているのが歯周病です。しかし糖尿病になった方が歯周病を治療することで血糖値が改善するのも医学界では広く知られています。奥歯でよく噛むことが脳の活性化になることは、いまや常識ですが…認知症は、女性の方がなりやすいのはご存知でしょうか? だから女性にこそ、『噛み合わせ』の大切さを忘れないでいただきたい。」

「あるアンケートによると、高齢者に行った『今一番楽しいことは?』という質問に48%の方が『食べること』と答えています。とりわけ徳島は美味しいものが多く、食べることは皆さんにとって大きな喜びですよね。体のために、ちょっと薄味でも美味しく食べるコツ、これはよく噛むことです。美味しさのエキスが最後の一滴まで出てきます。またこれは、ダイエットにもなります。満腹中枢は、食べる量ではなく噛む回数で働きますから。

最近、『舌の筋肉の強さが、全身の筋肉の強さと相関がある』という研究データがあります。舌なんてどうやって鍛えるの? いちばん簡単なのは、『よく喋ること、よく噛んで味わって食べること』です。これが“どこへでも、好きな所に旅行や買い物に行ける元気”に繋がっているとしたら…『そんなことできない、したくもない』という方は、あまりいらっしゃらないのでは?喋る、食べる、どこでも好きな所へ行く。健康寿命の基本です。咀嚼や嚥下機能に限りませんが、一度低下してから回復するより、健康な状態を保っていく心がけが大切ですね。」

 

 

 

歯科医院を口も心もスッキリさせる場所に

体全体の健康と密接に関わる口内の健康状態。それを改善・維持するための歯科医院の役割。もちろんまず虫歯、歯周病の予防・治療、そして失った歯を補うためには入れ歯やインプラントだろう。特に歯周病は目立った自覚症状がないまま進行するため、定期的に受診することは早期発見のために重要だ。

「虫歯も歯周病も、自覚症状がなければ、なかなかみなさん来てくださらない(苦笑)。食べ物が歯によく詰まるようになったり、爪楊枝を使う機会が増えただけでも、虫歯や歯周病のせいかもしれません。歯医者が怖い、痛いというイメージがあるのは、問題が起こってから来る方がほとんどだからなんです。トラブルが少ないうちに来てくだされば、歯科は痛い思いや怖い思いをするところでは決してありません。ある面では、エステや美容院と同じでイライラをお掃除する空間です。真っ白でスベスベな歯、キラッキラの笑顔。ワクワクしませんか?

直接歯科と関係ないような事柄でも、噛み合わせの改善が肩こりの軽減になるケースも。最近大きなニュースにもなる無呼吸症候群は、歯科と耳鼻科の連携で治療ができるケースがあります。さまざまな面で、歯科は皆さんのお役に立てるかもしれません」。

歯科に行って歯に対する正しい知識を身につけることで、自宅で行うケアを向上させることも。一般的に歯磨きは長時間行えば行うほど良いというイメージがあるが?「時間も大事ですが、磨き方が重要です。正しい歯磨きの仕方はその人の口の状態によっても変わってきます。例を挙げれば歯間ブラシと糸ようじの用い方。器具の使いやすさも大事ですが、歯科衛生士に適材適所の使い分け、使い方のアドバイスを受けることが大切です。また歯磨き粉の量なども、中にはたくさん使いすぎの方も」。こういった歯磨き以外にも、こんにちの歯科医院では、『口から守る全身の健康』のさまざまなアドバイスを受けられる。

 

 

いつまでも「強く、楽しく、美しく」

そして女性にとって歯のケアをすることで得られる大きなメリットは、審美性にもある。たとえば単純な目・鼻・口だけの、「若い人の顔」を描いてみよう。唇の上とほうれい線にシワを書き足すだけで、アッと言う間に老け顏の出来上がりだ。歯は、口元の張りを保つ裏打ちそのものである。よく噛むことは、それだけで同時にフェイスリフトになることをご存知だろうか。噛み合わせの維持は若々しさを保ち、発音のしやすさも向上し、家族や友人と自信と喜びで向き合ってフルスマイルのやりとりができる。食べること、喋ること、美しくいること。その喜びのすべてに歯、口元は関わっているのだ。

「心も体も外見もシャン! と元気なシニアの方ばかりなら、超高齢社会なんて何も怖くない。そんな“活き活きシニア”は、社会の宝物です。当院の、あるおしゃれな80代の女性のお話ですが…、“いつもステキですね”と声をかけたら、『いくつになっても女ですから』と、飛びきりの微笑みを返してくださいました。その患者さんのような方ならまず本人が幸せ。それは周りのご家族や友だち、徳島という“街”全体の幸せに繋がると思うんです」。