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今月のインタビュー【バックナンバー】

お話をお伺いしたのは…

(写真左)
碩心館病院 院長
藤本 卓 先生

(写真右)
碩心館病院 理事長
矢野 勇人 先生

心不全

心臓は血液を全身に循環させているポンプ。そのポンプの働きが弱り、むくみや息切れといった、いろいろな体の不具合が生じることを心不全といいます。高齢になると増える疾患といわれていて、今は循環器の病気で入院する患者の半数以上が心不全を伴っている状態です。

 

心不全は2種類
心不全には「急に起きるもの」(急性)と「長年時間をかけて進行しているもの」(慢性)があります。「インフルエンザで心筋炎を起こした」突然心筋梗塞を起こして心臓が動かなくなった」などといった状態が急性心不全。こういう場合は、急病なのですぐ病院で慢性化にならないように、元の病気を治すような治療を進めます。50歳くらいまでの比較的若い患者も多く、治療方法は確立されているのでそれほど問題はありません。しかし、じわじわと進んでくる高血圧性の心不全や心房細動のほか、不整脈による慢性心不全は知らない間に進行しています。気づきにくく、治りにくいので、注意して治療に取り組む必要があります。

【心不全の症状】
足のむくみ、息切れ、夜中の咳、倦怠感、何をするにしても体がだるいなど
【心不全から派生する病気】
改善がみられなければ、息切れが徐々にひどくなり寝たきりの状態に。寝
たきりになってしまうと、いろいろな合併症状を引き起こしてしまいます。肺炎、褥じょくそう瘡など、全身の筋肉が低下してベッド上で動けなくなる廃用症候群は、身体を動かさないことで筋肉がやせ細っていきます。

 

原因は3つ

加齢によって起きる高血圧(高血圧症)、不整脈(心房細動)、動脈硬化による弁膜症(大動脈弁狭窄症)、この3つが心不全の最大の原因です。最近増えているのが、高血圧治療が不十分なまま長時間経過していて、心臓がバテて動かなくなってしまう高血圧性の心疾患です。次に、心房細動とは血液を送る動きが少し弱くなること。最初は心臓が動いていれば症状は出ませんが、血液を送る動きが不規則になります。高齢になり血液を送る力が弱くなると、一生懸命血を送ろうと心臓を早く動かして心臓がバテてしまうので、最終的には心不全になってしまいます。これが心房細動による心不全です。大動脈弁の弁膜症も、年齢によるもの。以前はばい菌が心筋に取り付いて引き起こすリウマチ性弁膜症が多かったものの、最近では年齢による動脈硬化でおきる大動脈弁狭窄症が話題になっています。じわじわと大動脈弁が開かなくなり、あるとき急に症状が出てきて心不全の状態に。はやく気づき動脈硬化で硬くなってしまった弁を取り替える手術を行うとか、体力的に手術が難しければ、最近ではカテーテルで弁をとり替える血管内治療﹇TAVI﹈もあります。心臓が完全に弱ってしまうと難しくなるので、とにかく早く対処する必要があります。

 

 

治療後の生活
治療をしても十分な効果が出ず、介護施設や療養型の病院に寝たきりの状態で入所することもあります。また、再発を防ぐために、風邪をひかない、塩分制限をして血圧を上げない、急な重労働は避けるといった生活を送ってもらう必要があります。慢性の心不全状態になってしまうと、弱った筋肉を若いときの元の状態に戻すことはできません。心臓リハビリや運動療法を行うなど毎日少しずつリハビリを続けることで、できるだけ元の状態に近づけることが、次の発作の予防にもなります。『碩心館病院』では、高血圧治療で血管を広げて心臓の負担を減らす高血圧の治療薬を選ぶなど、一日のうちで血圧が上下に変動しないようにゆっくり効くような薬を選んでいます。また、“心臓リハビリ”に注力していて、医師、リハビリスタッフ、看護師、薬剤師、管理栄養士が一丸となりチーム医療を実施。「心臓リハビリテーション指導士」が在籍しているのも強みで、体力や体の状態にあわせて運動を適切に指導します。心不全は「年齢による息切れ」などではなく、早く対処すれば改善する状態です。早く気づき、きちんとケアして、健康に年をとっていきましょう。

 

 

 

心不全にならないために
そして何より、定期的に健診を受けてください。血圧管理、動脈硬化を進めないために、糖尿病になっていないか、コレステロール値が高くなっていないかなど、きちんと管理しておくことが大切です。若々しい状態をできるだけ長く維持して、健康な体で心不全を予防しましょう!