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今月のインタビュー【バックナンバー】

お話をお伺いしたのは…

徳島大学病院
消化器・
移植外科教授
島田光生先生

肝臓がん

肝臓がんのほとんどは、ウイルス性の肝炎によって発症する病気です。肝臓がんの死亡率は、胃がん、肺がんについで高く、徳島県の肝臓がん死亡率は全国トップクラス(全国3位/平成18年)です。肝臓がんは、がんの中でも手術が比較的難しいので、早期発見できるように心がけましょう。

■肝臓がんの原因ウイルスって?

 肝臓がんは、C型肝炎・B型肝炎に感染し、そのウイルスを持っている人が発症する病気です。つまりウイルスを持っていなければ、“肝臓がんにはほぼならない”ということなのです。C型肝炎・B型肝炎ウイルスの有無は、血液検査で分かり、簡単に発見できます。

■感染はどうやってするの?

 C型肝炎・B型肝炎ウイルスの感染は、血液によって感染します。つまり、インフルエンザなどと違い、空気感染や唾液感染は絶対にしません。感染している人の注射針を再度使用したり、ひげそりで血液が付いているものを共有して出血するなどしないかぎり、感染はしないのでご安心ください。ただし、感染しているかどうかは、特別な血液検査でしかわからないため、個々で血液検査を受けて肝炎ウイルスを持っているか確認し、また肝炎にかかっていれば治療をすることが、肝臓がんの予防につながります。

■血液検査は、無料!

 県内の各保健所では、感染者の早期発見と早期治療につなげるため、無料で血液検査を行っています。(検査ができる保健所は下記)
 肝炎ウイルスは、先に記載したように注意しておけば感染しませんので、検査をしたことがない人は一度検査してみてください。平成6年以前にフィブリノゲン製剤の投与を受けた人は、肝炎ウイルスに感染している可能性が一般の人より高いと考えられています。肝臓がん予防のために、血液検査を行いましょう。

■C型肝炎・B型肝炎の治療

 血液検査で肝炎感染がわかった場合は、専門医を受診し、治療を行いましょう。早期発見は早期治療につながり、若い時に治療しているほうが治りも早いです。肝臓がんは、C型肝炎に感染して慢性肝炎、肝硬変になり肝臓がんができるまでに30年ぐらいかかります。また、現在は治療薬も進歩しており、C型肝炎はウイルスの型により90%は治る(難治性のウイルスでも60%)とされています。治療費も現在は助成がありますので、通常の2割程度の料金ですむことがあります。治療を受ける病院で相談してみてください。

■“メタボ”の人も肝臓がんになる?

 肝臓がんのほとんどは肝炎ウイルスによるものですが、最近、メタボリックシンドロームの人に見られることが報告されています。脂肪肝炎によるもので、糖尿病を持っている人は肝臓がんをつくりやすいことが分かっています。メタボで肝機能が悪い人は、肝臓の専門医に診てもらいましょう。

徳島大学病院 肝疾患相談室
http://www.tokudai-kanshikkan.jp/
Tel.088-633-9002

肝炎ウイルス(B型・C型)検査保健所及び実施日

徳島保健所 徳島市新蔵町3-80 Tel.088-602-8907  火曜10:00~11:00
阿南保健所 阿南市領家町野神319 Tel.0884-28-9876 火曜10:00~11:00
美波保健所 海部郡美波町奥河内字弁才天17 Tel.0884-74-7343 第1・3木曜11:00~11:30
吉野川保健所 吉野川市鴨島町鴨島106-2 Tel.0883-36-9019 第1・3水曜9:00~11:00
美馬保健所 美馬市穴吹町穴吹字明連23 Tel.0883-52-1018 第1・3水曜9:00~10:00
三好保健所 三好市池田マチ2542-4 Tel.0883-72-1122 第1・3木曜9:00~10:00